『バガー・ヴァンスの伝説』THE LEGEND OF BAGGER VANCE
mainpicture 2001年3月3日より全国ロードショー

2000年/アメリカ/2時間6分/ビスタサイズ/ドルビーSRD・SRD、DTS、SDDS/字幕スーパー翻訳:戸田奈津子

◇監督:ロバート・レッドフォード ◇脚本:ジェレミー・レビン ◇製作:マイケル・ノジック、ジェイク・エバーツ、ロバート・レッドフォード ◇製作総指揮:キャレン・テンコフ ◇共同製作:クリス・ブリガム、ジョセフ・リーディー ◇撮影:ミヒャエル・バルハウス ◇プロダクション・デザイナー:スチュワート・クレッグ ◇衣裳デザイナー:ジュディアナ・マコフスキー ◇編集:ハンク・コーウィン ◇作曲:レイチェル・ポートマン

◇キャスト:ウィル・スミス、マット・デイモン、シャーリズ・セロン、ジャック・レモン、J・マイケル・モンクリーフ、ブルース・マックギル、ジョエル・グレッチ、レイン・スミス、アンドレア・ポーウェル、E・ロジャー・ミッチェル、マイケル・オニール、リカルド・バンジ、ダーリン・ペイジ・ホックマン



| 解説 | ストーリー | キャスト&スタッフ | シャーリズ・セロン来日記者会見 |
| オフィシャルサイト | WERDE OFFICE | CINEMA WERDE |




【解説】

どんな人間にも、一つだけ正真正銘のスイングがある。
それは、生まれつきのものであり、その人だけが持っている独特のものだ。
それは、習えるものではなく…どうしても覚えなくてはならないものだ。
ーバガー・ヴァンスー


監督デビュー作『普通の人々』でアカデミー賞に輝いて以来、『ミラグロ 奇跡の地』『リバー・ランズ・スルー・イット』『クイズ・ショウ』『モンタナの風に抱かれて』と、質の高い秀作を作り続けているロバート・レッドフォード。その待望の新作は、ウィル・スミス、マット・デイモン、シャリーズ・セロンという今をときめく旬の俳優たちを主演に迎えた、ファンタスティックでドラマティックな人生の物語。早くも2001年のアカデミー賞最有力と目されている、愉快で感動的で、そっと心に残る名作である。

すべては1928年、南部ジョージア州のサヴァンナで始まった。天才ゴルファーと謳われながら、戦場での悲痛な体験がもとでゴルフも恋人アデールも捨てて隠遁生活を送っていたジュナ。大恐慌で自殺した父の後を継いでアメリカ最高のゴルフ・リゾートを完成させ、エキジビション・マッチを企画したアデール。ジュナは二人のスター・ゴルファーに対抗する地元からの挑戦者としてこの試合に引きずり出される。そして、人々の過大な期待に怖じ気づいていたジュナの前に現れたのが、バガー・ヴァンスと名乗る不思議な男。彼はジュナに“失っていたスイング”を取り戻させる…。


人間誰しも、自分が本来持っているスイング=自分らしさ=を見失うことがある。そして、それを取り戻さないと人生に迷ってしまう。この映画は、ゴルフという人生にも似たゲームをメタファーに、試合を戦う中で、傷ついた過去と訣別し、自分自身を取り戻していく一人の青年の成長の物語。闇に堕ちたヒーローが、守護天使とも言うべきバガー・ヴァンスのおかげで光のもとに返り咲くまでを描いている。

ここでは、神話的な物語が心地よいファンタジーの香りを運んでくる。バガーというユニークなキャラクターが得も言われぬユーモアを漂わせる。そして、ヒーローの再生を象徴するのは、しきり直しのラブ・ストーリーと、勝負へのチャレンジ。天国と地獄を往復するような白熱したゴルフ・マッチの興奮までが揃って、ストーリーテリングの醍醐味を存分に味あわせてくれる。そして最後に思うのは、“生きることにつまづいたとき、私たちの前にもバガー・ヴァンスが現れてくれたら…”ということ。誰もが自分の心の中にジュナとバガー・ヴァンスを抱えているのかもしれない。



スティーブン・プレスフィールドが書いた小説をみつけてレッドフォードに紹介したのはプロデューサーのジェイク・エバーツ。既に『リバー・ランズ・スルー・イット』で製作総指揮を務めている彼には、レッドフォードがこの原作に飛びつくことがわかっていた。エバーツから“自分の本当のスイングをなくしてしまった男の話”だと聞いた瞬間、レッドフォードは“すべての照明がパッとついた感じだった”と語る。
彼が再生するヒーロー、ジュナに選んだのは、“無色の魅力を持つ”マット・デイモン。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞し、『プライベート・ライアン』『ラウンダーズ』『リプリー』と快進撃を続けるデイモンは、レッドフォードと組むチャンスをことのほか喜び、脚本の神話的要素にも惹かれたと言う。これまでクラブを握ったことさえなかったデイモンだが、テクニカル・アドバイザーが驚くほどの上達ぶりで、今や完璧なゴルフ中毒になった。 いかにも南部的な気の強い美女アデールにはシャーリズ・セロン。『サイダー・ハウス・ルール』『ノイズ』と今やハリウッド最高の売れっ子に成長した彼女を、レッドフォードは“優れた勘と天性の能力に恵まれた女優”と絶賛する。 謎めいた男バガー・ヴァンスを、いつもながらのチャーミングな笑顔に思慮深い面をもち交えて演じきったのは『インデペンデンス・デイ』『エネミー・オブ・アメリカ』のウィル・スミス。監督いわく、バガーは“コヨーテのようなペテン師(本心がまったくわからない人物)”。“レッドフォードから電話をもらったら、どんなことでもするしかない”と語るスミスは、“ウィルなら僕が要求することは何でもこなせると信じていた”という監督の厚い信頼に応えて、これまでの作品とは一線を画す難しい役どころで新しい顔を見せている。
また語り部となる少年ハーディには、オーディションで数千人の応募者の中から選ばれたJ・マイケル・モンクリーフ。映画の舞台となるサヴァンナに住む12歳で、これが初めての映画出演。レッド・フォードに“才能の原石”と言わしめた自然な演技で、今後の活躍が期待されるデビューとなった。

1920、30年前後の南部の町サヴァンナを再現するために、レッドフォードは各賞に輝く最高のチームを組んだ。撮影は『ブロードキャスト・ニュース』と『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』でアカデミー賞にノミネートされた名手ミヒャエル・バルハウス。
時代の流れを色合いを変えて映像的に表現。大恐慌後の町のくすんだ色調と、ゴルフ・コースの鮮やかな緑色のコントラストが美しい。プロダクション・デザイナーは『ガンジー』『危険な関係』『イングリッシュ・ペイシェント』と3度のアカデミー賞に輝くスチュアート・クレッグ。衣裳デザイナーは『カラー・オブ・ハート』でアカデミー賞にノミネートされたジュディアナ・マコフスキー。当時のゴルフ・ウェアや南部の町と人々の風情を美しく甦らせている。また、音楽は『Emma/エマ』でオスカーを手にしたレイチェル・ポートマン。
編集は『モンタナの風に抱かれて』のハンク・コーウィン。そうそうたるメンバーが集結して、レッドフォードの演出を力強く支えている。



 


【ストーリー】

失いしものを 心は嘆きつつ、ふと得たるものに 心は歓ぶ。


ゴルフ場でスイングしていた老人ハーディ(ジャック・レモン)が、心臓発作を起こして倒れる。この10年でもう5回目。亡き妻は“ゴルフに殺される”と警告したが、ハーディはゴルフをやめる気などさらさらない。
すべては1928年、ジョージア州サヴァンナで始まった。ハーディ(J・マイケル・モンクリーフ)は10歳。父フランクが経営する店の壁には、地元の若き天才ゴルファー、ラナルフ・ジュナ(マット・デイモン)の記事が貼ってある。彼は16歳でアマチュア優勝を成し遂げ、1916年の試合では飛距離を測るために試合が20分も中断した。町のヒーローは富豪の娘アデール(シャーリーズ・セロン)のハートも手に入れ、幸せいっぱいだった。やがてジュナは意気揚々と第一次世界大戦に出征していった。しかし、戦場での衝撃と悲しみに打ちのめされ混乱した彼は英雄としての帰還を嫌った。ジュナは無事帰国したものの、アデールに会おうともせず、ゴルフも捨てて隠遁生活を送っていた。

1929年の大恐慌の波はしばらくしてこの地の人々みの襲いかかった。1931年アメリカ最高のゴルフ場を建設していたアデールの父はオープンを目前に拳銃自殺し、フランクも店を手放した。市長以下町の有力者たちは、アデールにコースを売却するように勧めるが彼女はすべてを売り払った1万ドルを賞金に人気ゴルファー、ボビー・ジョーンズ(ジョエル・グレッチ)とウォルター・ヘーゲン(ブルース・マックギル)のエキジビション・マッチを開催してコースの宣伝をすることを思いつく。
アデールは二人のもとを訪れ、相手が試合に出ると偽って参加を取りつける。有力者たちは地元の選手を出場させることでこれを認めるが、人選は難航。議論伯仲する中、ハーディはジュナの名を挙げる。彼は町外れのジュナの家を訪れるが、酒浸りのジュナは「スイングを失った」と言うだけ。市長らも説得に訪れるが、首を縦に振ろうとはしない。ついにはアデールがやってきた。「どうしたら出てくれるの?」と涙を流すアデール。「服を脱いだら」と挑発するジュナ。





夜も更けたころ、ジュナは埃だらけのゴルフバッグを取り出して庭に出た。そこへ突然、バガーヴァンス(ウィル・スミス)と名乗る男が現れ、5ドルの報酬でキャディを申し出る。今はまっすぐボールを飛ばすことさえできないジュナに『ゴルフのグリップは人生のグリップ(把握)。なくしたスイングを見つけろ』とバガーは言う。 翌日、ジュナは出場を宣言した。試合の前日になって二人のスターも到着した。過大な期待に怖じ気づいたジュナは町を離れようとするが、どこに行っても人に囲まれて逃げ出さない。仕方なく練習に励むジュナ。ハーディはバガーの助手をすることになる。
試合当日。コースでは3人3様のプレイが展開していた。ハーバード大学卒の秀才ジョーンズはあくまで優雅。ヘーゲンは浮き沈みが激しい。ジュナはハラハラさせ通しのゴルフだった。バガーはジュナがバンカーに入れてもアドバイスしようとはしない。OBなら試合から逃げ出せるとそそのかすありさまだ。午前中の18ホールで、ジュナはタイで並ぶ二人に12打差をつけられていた。
町の人々は彼の成績にがっかり。アデールは試合に巻き込んで恥をかかせたことを謝る。ハーディは彼を励ましながら、勝利に悲観的な父フランクのことを責める。今は道路清掃人をしている父が、ハーディには恥ずかしかった。しかし、ジュナは『フランクは破産宣告にあぐらをかかず、箒で逆境と闘ってるんだ』とハーディを論す。そして同時に、自分が逆境に立ち向かっていないことに気つく。 午後の試合が始まった。「魂でグリーンを見ろ。自然のリズムに合わせれば本物のスイングができる」というバガーの言葉に応えるように、ジュナは調子をあげ、二人との差は8に縮まった。本気で勝つ気になった彼は、アデールにキスして驚かせる。「今度は12年間も待たせないでね」とアデール。

2日目のジュナは絶好調で、ホールイン・ワンまで飛び出した。やがてヘーゲンをジョーンズとジュナが1打差で追う展開になった。アデールは試合の途中でジュナを呼び出すと、彼が去った後の10年がどんなに辛かったか訴える。いつしか3人はイーブンで並んでいた。強気になったジュナはバガーの制止も聞かずイーグル狙いに出て、大失敗を喫する。池ポチャの後はブッシュの中。木々に囲まれたボールを見て、ジュナは出口のない戦場の恐怖を思い出していた。硬直するジュナにバガーは言う。「重荷を下ろせ。戦争のことは忘れろ。本来の自分に戻れ」と。バガーが選んだクラブを受け取ると、ジュナは勇気を出してスイングした。白い球が木々の間を縫って飛んでいく。
海を見下ろす18番ホール。夕闇が迫り、車のライトがコースを照らす中でゲームは続行された。ジュナは第2打で草を抜こうとしてボールを動かしてしまう。これを見ていたのはハーディとバガーだけ。ハーディは「黙っていよう」と懇願するが、ジュナは正直に申告して1打がプラスされる。それを見てバガーは言う。「俺にできることはもうない。あんたは一人でやっていけるよ」と。バガーはハーデイにキャディを頼むと、報酬の5ドルを受け取って何処へともなく去っていく。
夜霧に濡れた芝。1打差のジュナはホールだけを見つめてスイングした。穴に吸い込まれていくボール。3人はタイで試合を終了する。海辺を歩いていたバガーは観衆の歓声を耳にして、嬉しそうにステップを踏んだ。
この試合の後、ジョーンズは引退して弁護士になった。ヘーゲンはエキジビション専門のプレイヤーになった。ジュナとアデールは、再びダンスを踊った。そして、老ハーディは…発作も収まり、ゆっくりと立ち上がる。彼は自分のフィールドを見つけるために今もゴルフを続けている。コースの向こうの丘の上で手を振っている小さな影は、もしかしてバガーでは?



 


【キャスト&スタッフ】

■ウィル・スミス(バガー・ヴァンス)

ジュナに啓示を与える謎めいた人物バガー・ヴァンスを演じる。1968年ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。ラップ・アーティストとしてのDJのジャジー・ジェフと組んでヒットチャートのトップに君臨した。二人は何枚ものプラチナ・アルバムを発表し、二つのグラミー賞と三つのアメリカン・ミュージック・アワードを含む数多くの賞に輝いている。一方で、1991年からテレビのコメディ・シリーズ“The Fresh Prince of Bel Air”に出演して人気を博し、ゴールデン・グローブ賞にノミネート。1992年に『ハート・ブレイク・タウン』(1992)でスクリーン・デビューを果たした。続いて『メイド・イン・アメリカ』(1993)、ストッカード・チャニング共演の『私に近い6人の他人』(1993)で批評家からも好評を得、『バッドボーイズ』(1995)でブレイク。ローランド・エメリッヒ監督のSFアクション大作『インディペンデンス・デイ』(1996)、バリー・ソネンフェルド監督、トミー・リー・ジョーンズ共演のSFコメディ『メン・イン・ブラック』(1997)で人気スターぶりを証明した。その後、ジーン・ハックマン共演の『エネミー・オブ・アメリカ』(1998)、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(1999)に主演。レコーディング活動も続けており、1998年に初のソロ・アルバム“Big Willie Style”を発表してグラミー賞を受賞。1999年にはイメージ賞からエンターテイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。


■マット・デイモン(ラナルフ・ジュナ)

戦争によって人生の方向を見失った青年ラナルフ・ジュナを演じる。1970年、マサチューセッツ州ボストン生まれ。ハーバード大学で英文学を専攻し、在学中から舞台に立った。1988年に『ミスティック・ピザ』でデビューし、『青春の輝き』(1992)、ウォルター・ヒル監督の『ジェロニモ』(1993)などに出演。『戦火の勇気』(1996)で湾岸戦争で起きた事件に苦しむ若い兵士を演じて注目され、ジョン・グリシャムのベストセラー小説をフランシス・フォード・コッポラが映画化した『レインメーカー』(1997)の主役に抜擢された。親友ベン・アフレックとともに執筆した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞したのは有名。ガス・ヴァン・サントが監督したこの作品は作品賞を含む7部門で候補に上り、デイモンは主演男優賞でもノミネートされた。有名になる前にキャスティングされたスティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(1998)では行方不明の兵士ライアンに扮し、『ラウンダーズ』(1998)ではエドワード・ノートンと共演。アンソニー・ミンゲラ監督の『リプリー』(1999)でもタイトルロールを演じ、ケビン・スミス監督の『ドグマ』(1999)ではアフレックと共演して天使に扮した。この後、ビリー・ボブ・ソーントンがメガホンをとった『すべての美しい馬たち』が公開予定。アフレックとともに設立したポール・ストリート・プロダクションで製作する第1弾“The Third Wheel”にカメオ出演した後、ロバート・ラドラム原作の“The Bourne Identity”の準備に入っている。


■シャーリズ・セロン(アデール)

ジュナの元恋人でサヴァンナいちの富豪の娘アデール・インヴァゴードンを演じる。1975年、南アフリカ生まれ。父はフランス系、母はドイツ系。ミラノやパリでモデルとして活躍していたが、女優を目指して1993年にロスに移住。ジィイムズ・スペイダーらと共演したダーク・ユーモアいっぱいの犯罪ドラマ『トゥー・デイズ』(1996)で映画デビューを飾った。さらにトム・ハンクスの監督デビュー作『すべてをあなたに』(1996)に出演。アル・パチーノ、キアヌ・リーブス共演の『ディアボロス 悪魔の扉』(1997)、ウディ・アレンの『セレブリティ』(1998)、ファミリー・ムービー『マイティ・ジョー』(1998)と、わずか3年で売れっ子女優に成長した。1999年にはジョン・アービングの小説をラッセ・ハルストレム監督が映画化してアカデミー脚本賞と助演男優賞を受賞した『サイダーハウス・ルール』、ジョニー・デップの妻を演じた『ノイズ』、ジョン・フランケンハイマーのメガホンでベン・アフレックと共演した『レインディア・ゲーム』の3本に出演。この後、ロバート・デ・ニーロ、キューバ・グッディングJr.と共演した『ザ・ダイバー』と、マーク・ウォルバーグ、ホアキン・フェニックスと共演した“The Yards”が公開予定。ウディ・アレンの新作、ビリー・ボブ・ソーントン、パトリック・スウェイジ共演の“Wakin' Up in Reno”、キアヌ・リーブス共演の“Sweet Novenber”も控えている。


■J・マイケル・モンクリーフ(ハーディ)

ジュナに憧れる少年ハーディ・グリーブスを演じる。ジョージア州サヴァンナ生まれの12歳。2000人以上の候補者の中からハーディ役に選ばれた。現在はサヴァンナ郊外の小さな町に家族とともに住んでおり、ローラー・コースターに乗ったり、映画を見たり、ピンボールやビデオゲームで遊ぶのが大好き。この作品への出演がきっかけで、パット・ゴルフが好きな遊びの一つに加わった。


■ブルース・マックギル(ヘーゲン)

実在のプロゴルファーで、豪快なプレイを見せるウォルター・ヘーゲンを演じる。映画界で20年以上も活躍しているベテラン俳優。『アニマル・ハウス』(1978)の、オートバイで家の中の階段を上るシーンで注目を集めた。主な出演作は、マイク・ニコルズ監督、メリル・ストリープ主演の『シルクウッド』(1983)、ジョー・ペシ主演の『いとこのビニー』(1992)、クリント・イーストウッド監督・主演、ケビン・コスナー共演の『パーフェクト・ワールド』(1993)、レニー・ハーリン監督、シルベスター・スタローン主演の『クリフハンガー』(1993)、ピーター・ハイアムズ監督の『タイムコップ』(1994)、『戦火の勇気』(1996)など。最近ではマイケル・マンが監督して好評を博した社会派ドラマ『インサイダー』(1999)に出演している。トム・セレックと共演したTNTの“Running Mates”などテレビの出演も数多い。


■ジョエル・グレッチ(ジョーンズ)

もう一人の実在のプロゴルファーで、秀才タイプのボビー・ジョーンズを演じる。ミネソタ州出身。ガスリー劇場で演技を学んだ後、1989年にロスに移り、モリエールの『タルチュフ』で舞台デビュー。ジョン・パトリック・シャンリーの“Danny and the Deep Blue Sea”のサンタモニカ公演でのタイトルロールなど、舞台を中心に活動してきた。映画ではインディペンデント作品“Kate's Addiction”に出演。「犯罪捜査官 ネイビー・ファイル」、「メルローズ・プレイス」、「フレンズ」などシリーズへのゲスト出演などテレビでも活躍している。メジャー映画への出演はこれがはじめて。


■レイン・スミス(グラントランド・ライス)

出演した主な映画は、シドニー・ルメット監督の『ネットワーク』(1976)と『プリンス・オブ・シティ』(1981)、ジェリー・シャッツバーグ監督の『忍冬の花のように』(1980)、ジェシカ・ラング主演の『女優フランシス』(1982)、ジョン・ミリアス監督の『若き勇者たち』(1984)、ロバート・ベントン監督の『プレイス・イン・ザ・ハート』(1984)、ニック・ノルティ主演の『ウィーズ』(1987)、メル・ギブソン主演の『エア・アメリカ』(1990)、『エディ・マーフィーのホワイトハウス狂騒曲』(1992)、『飛べないアヒル』(1992)『いとこのビニー』(1992)など。テレビ出演も多く、ミニ・シリーズ“The Final Days”ではリチャード・ニクソンに扮してゴールデン・グローブ賞にノミネート。最近ではケーブルテレビの“Inherit the Wind”でジャック・レモン、ジョージ・C・スコットと共演している。また、ニューヨークとロスの舞台でも活躍しており、デヴィッド・マメットの『摩天楼を夢みて』のブロードウェイ公演ではドラマ・デスク賞に輝いた。


■ロバート・レッドフォード(製作・監督)

1937年、カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。ニューヨークの名門アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマチック・アーツで演技を学び、舞台俳優としてスタート。「ニューヨークの休日」で初めてブロードウェイの主役を務め、マイク・ニコルズ演出の「裸足で散歩」で注目された。
映画の初期の出演作は、『逃亡地帯』(1966)、『雨のニューオリンズ』(1966)『サンセット物語』(1966)など。1967年には舞台と同じポール役をジェーン・フォンダを相手に演じた『裸足で散歩』で絶賛され、ポール・ニューマンと共演したジョージ・ロイ・ヒルの名作『明日に向かって撃て!』(1969)でトップ・スターの仲間入りを果たした。ニューマン、ロイ・ヒル監督とは作品を含むアカデミー賞7部門に輝いた『スティング』(1973)でも再び組み、彼自身も主演男優賞にノミネートされている。その後もスターとしての地位を保ち続け、『大いなる勇者』(1972)『追憶』(1973)『華麗なるギャツビー』(1974)『コンドル』(1975)『大統領の陰謀』(1976)『出逢い』(1979)『ブルーベイカー』(1980)『ナチュラル』(1984)『愛と哀しみの果て』(1985)『夜霧のマンハッタン』(1986)『スニーカーズ』(1992)『幸福の条件』(1993)『アンカーウーマン』(1996)などに出演している。

初めての監督作品は1980年の『普通の人々』。家族の赤裸々な姿を静かに描いたこの作品で、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、全米監督協会賞を総なめ。その後も『ミラグロ 奇跡の地』(1988)、ゴールデン・グローブ監督賞にノミネートされた『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)、アカデミー作品・監督賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた『クイズ・ショウ』(1994)、4度目のゴールデン・グローブ監督賞ノミネートの『モンタナの風に抱かれて』(1998)と、着実に秀作を発表し続けている。製作者としても、『プロミスト・ランド/青春の絆』(1987)、『ダルク家の三姉妹』(1988)『彼女は最高』(1996)『ノー・ルッキング・バック』(1999)など多くの作品を手がけている。
また1980年には、“新進脚本家と監督の支援、インディペンデント映画の国内上映”を目的にサンダンス・インスティテュートを設立。ユタ州パーク・シティで行われるサンダンス映画祭も後援しており、今ではアメリカのインディペンデント映画の最も重要な発表の場となっている。