『ハンニバル』 HANNIBAL
mainpicture 4月7日丸の内ルーブル他全国松竹・東急系にてロードショー

2000年/アメリカ/2時間11分/ビスタサイズ/DTS、SRD、SDDS/字幕翻訳:戸田奈津子/提供:ギャガ・コミュニケーションズ、TBS、博報堂、WOWWOW、ヒューマックスピクチャーズ/協賛:デジタル・メディア・ラボ

◇監督:リドリー・スコット ◇原作:トマス・ハリス ◇製作:ディノ・デ・ラウレンティス、マーサ・デ・ラウレンティス、リドリー・スコット ◇脚本:デビット・マメット、スティーブン・ザイリアン ◇音楽:ハンス・ジマー ◇編集:ピエトロ・スカリア ◇プロダクション・デザイナー:ノリス・スペンサー ◇撮影:ジョン・マシソン ◇製作総指揮:ブランコ・ラスティグ 

◇キャスト:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、レイ・リオッタ、フランキー・R・フェイゾン、ジャンカルロ・ジャンニーニ、フランチェスカ・ネリ、ヘイゼル・グッドマン



| 解説 | ストーリー | キャスト&スタッフ |
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【解説】

10年の沈黙を破って、あの男が帰って来た。ハンニバル・レクター。カンニバル(人食い)の別名と、医学博士の肩書きを持つ連続猟奇殺人鬼。天才的な頭脳と豊かな教養の持ち主として知られる彼は、服装から食事、音楽にいたるまで、超一流の趣味を極めた現代のノスフェラトゥだ。そんな彼のオブセッションを燃え立たせるFBI捜査官のクラリス・スターリング。フィレンツェとアメリカ。距離を遠く隔てながらも、宿命の糸で結ばれたふたり。その運命が、いま再び、ひとつに交わるときがやって来る! アカデミー賞5部門を制覇した『羊たちの沈黙』から10年。世界中が待ち焦がれていた「第二章」がついに完成した。

バッファロー・ビル事件を解決に導いたあと、護送中に逃亡をはかったハンニバル・レクター博士と、正式にFBI捜査官の道を歩み始めたクラリス・スターリング。かたや犯罪者、かたや正義の執行者という両極端の立場にありながら、特別な絆で結ばれたふたりの「その後」の人生をたどる『ハンニバル』は、日本だけで180万部を突破したトマス・ハリスのベストセラー小説の映画化。悪のカリスマことレクター博士の華麗なる復活劇を、『グラディエーター』『ブレードランナー』の巨匠リドリー・スコットが、エキサイティングに映像化したサイコ・ホラーの最高峰だ。

エレベーターを血の海に変え、忽然と行方をくらませたレクター博士は、フェル博士と名前を変えて私たちの前に姿を現す。所はイタリアの古都フィレンツェ。ダンテ研究の専門家としてカッポーニ宮の司書の座に就いた彼は、美食と文化に満たされた優雅な逃亡生活を満喫していた。だが、その沈黙は、レクターに恨みを抱く大富豪メイスン・ヴァージャーの手によって破られる。メイスンの一味に命を狙われ、モンスターの正体をあらわにするレクター。追っ手を殺害し、アメリカへ渡った彼は、クラリスを囮に自分をおびき寄せようとするメイスンとの闘いに身を投じていく。レクターを豚の餌食にするチャンスを虎視眈々と狙うメイスン。果たして博士に勝算はあるのか!?



 


【ストーリー】

全米中を震撼とさせたバッファロー・ビル事件から10年─。ハンニバル・レクター博士との面談をヒントに犯人逮捕の手柄をあげたクラリス・スターリング(ジュリアン・ムーア)は、FBIのベテラン捜査官となり、ヴァージニアで勤務についていた。その日、彼女に与えられた任務は、強暴な麻薬売人イヴェルダ(ヘイゼル・グッドマン)の逮捕の指揮をとること。しかし、現場のフィッシュ・マーケットはたちまち激しい銃撃戦の場と化し、逃走をはかったイヴェルダの銃弾にさらされたクラリスは、やむなく赤ん坊を抱いた相手を射殺する。その模様がニュースで放映されたことからマスコミの非難を浴びたクラリスは、FBI内部からも厳しい追求を受けることになった。


そんな彼女の窮地に目をつけた人物がいた。レクター博士のせいで顔を失った大富豪のメイスン・ヴァージャーだ。かつてレクターの患者だった彼は、飲まされた麻薬の影響下で自らの顔の皮膚をはぎとり、そそのかされるまま犬に与えてしまったのだ。 以来、生涯を病床で過ごす身となったメイスンは、報復を果たすべく、10年前に逃亡をはかったレクターの行方を執念で追跡していた。彼が最初に接触したのは、レクターが精神異常犯罪者病院に収容されていた時代に雑用係をつとめていたバーニー(フランキー・フェイゾン)だった。彼からレクターとクラリスの特別な関係を聞き出したメイスンは、政界入りをめざす司法省のポール・クレンドラー(レイ・リオッタ)を巧みに利用し、クラリスをレクター狩りの任務につける。こうしてクラリスは、再びレクターの影を追い求める日々に舞い戻った。

そのころ、イタリアのフィレンツェに潜伏していたレクター(アンソニー・ホプキンス)は、フェル博士と名前を変え、カッポーニ宮の司書の座におさまっていた。逃亡生活を続けながらも、ずっとクラリスの動向に目を光らせていた彼は、イヴェルダ事件で傷を負ったクラリスに手紙を送る。



「クラリス、いまも羊たちの悲鳴が聞こえるか……?」





 


【キャスト&スタッフ】

■アンソニー・ホプキンス (ハンニバル・レクター)

『羊たちの沈黙』でアカデミー賞を手にしてから10年、今度は自由の身になったハンニバル・レクター博士を艶やかに演じているホプキンス。一世一大の当たり役となったこのキャラクターの魅力を、彼は次のように分析している。
「私たちがレクターに惹かれるのは、現代のノスフェラトゥのようだからだ。彼はひじょうに魅力的で人を惹きつけると同時に、私たちを恐怖に陥れる。そして、イアーゴ、リチャード3世、ファウストといった古い文芸作品に登場するキャラクターと同様に、確信と落ちつきを備えている。彼らは頭脳明晰で、何事にも迷いがない。それが彼らをカリスマ的な存在にし、常に優位に立たせているのだ」

1937年12月31日、イギリスのウェールズ生まれ。1963年にRADAを卒業。ローレンス・オリビエの代役に抜擢された『死の舞踏』をはじめ、数々のナショナル・シアターの舞台に出演する。1968年に『冬のライオン』で映画デビューを飾り、英アカデミー賞の候補になった。その後は、『戦争と冒険』(1972)『遠すぎた橋』(1977)『エレファント・マン』(1980)『バウンティ/愛と反乱の航海』(1984)『逃亡者』(1990)など英米の映画で活躍。1991年『羊たちの沈黙』でアカデミー主演男優賞を受賞し、『日の名残り』(1993)『ニクソン』(1995)でも同部門の候補にあがったほか、『アミスタッド』(1997)では助演男優賞にノミネートされた。近作は、ジュリー・テイモア監督の『タイタス』(2000)。新作に、スコット・ヒックス監督の『Hearts in Atlantis』、アレック・ボールドウィン監督の『The Devil and Daniel Webster』がある。



■ジュリアン・ムーア (クラリス・スターリング)

知的であると同時に成熟した女性の魅力を感じさせるクラリス・スターリングを作り上げたムーアは、いまハリウッドで最も売れている女優のひとり。撮影チームがフィレンツェでロケを進めているあいだ、クワンティコにあるFBI本部で訓練を受けた彼女は、射撃や戦術訓練に加えてワークアウトにも取り組み、監督の望みどおり5ポンドの筋肉をつけてクラリス役に挑んだ。撮影を振り返って、彼女はこう語る。
「この映画の中には100万種類もの異なる“調子”があります。ハデなアクションをやっていたかと思えば、次の週には厳しい聞き込みのシーンをやっているのですから。それは大きなチャレンジでしたが、変化し続けるペースが楽しさを倍増させてくれました」

1960年12月3日、ノースカロライナ州フェイエットビル生まれ。ボストン大学で芸術学学士号を取得したのち、オフ・ブロードウェイの舞台に立つ。1985年からTVシリーズ『As the World Turns』のレギュラーになり、1988年の『Slaughterhouse 2』で映画デビューした。カーティス・ハンソン監督の『ゆりかごを揺らす手』(1992)で注目されたのち、『妹の恋人』(1993)『ショート・カッツ』(1993)『9か月』(1995)などに出演。1996年の『サバイビング・ピカソ』では、アンソニー・ホプキンスと共演した。1997年には大作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』でヒロインを演じ、『ブギーナイツ』(1997)でアカデミー賞の助演女優賞候補に。1999年、レイフ・ファインズ共演の『ことの終わり』で同賞の主演部門にノミネートされた。新作に、デビッド・ドゥカブニー共演の『Evolution』、ビリー・クラダップ共演の『World Traveler』、ケビン・スペイシー共演の『Shipping News』がある。



■レイ・リオッタ (ポール・クレンドラー)

クライマックスを飾る晩餐会の主賓、ポール・クレンドラー役で強烈な印象を残すリオッタ。製作のマーサ・デ・ラウレンティスは、「悪役を演じても無垢なものを感じさせる」ところが、彼のキャスティングの決め手になったと語っている。

1955年12月18日、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。マイアミ大学を卒業後、NYで舞台、TVに出演。1983年の『The Lonely Lady』で映画デビューし、ゴールデングローブ賞候補になった『サムシング・ワイルド』(1986)で注目を集めた。以降、『ニッキーとジーノ』(1988)『グッドフェローズ』(1990)『不法侵入』(1992)『コリーナ、コリーナ』(1994)『アンフォゲッタブル』(1996)『乱気流 タービュランス』(1997)などに主演。シューレス・ジョーを演じた『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)など、脇役としても印象的な名演技を見せている。新作は、デンゼル・ワシントン共演の『JohnQ』。



■フランキー・R・フェイゾン (バーニー)

『羊たちの沈黙』に続いてバーニーを演じ、プロローグで前作との橋渡しをつとめる。

1949年6月10日、バージニア州ニューポートニューズ生まれ。イリノイ・ウェスリアン大学で演技を勉強。1981年の『ラグタイム』で映画デビューを飾る。主な出演作は、『ミシシッピー・バーニング』(1988)『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)『希望の街』(1991)『ジャック・サマースビー』(1993)『アイ・ラブ・トラブル』(1994)『アルビノ・アリゲーター』(1996)『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999)など。TV、舞台でも活躍し、『Fences』でドラマ・デスク賞の助演男優賞にノミネートされた。



■ジャンカルロ・ジャンニーニ (リナルド・パッツィ)

レクターを狩りたてるパッツィの役柄に、イタリア版刑事コロンボふうの味を持ち込んだジャンニーニは、イタリアとハリウッドで活躍する国際派の名優だ。

1942年7月13日、イタリアのスペジア生まれ。ローマの演劇アカデミーに学び、20歳のときフランコ・ゼッフィレッリの舞台『ロミオとジュリエット』のロミオ役に抜擢される。1966年に映画デビュー、リナ・ウェルトミューラー監督の『愛とアナーキーの映画』(1966)でカンヌ映画祭の主演男優賞を受賞。同じくウェルトミューラー監督の『流されて…』(1974)で国際的な人気を集め、『セブン・ビューティーズ』(1974)ではアカデミー賞の主演男優賞候補になった。他の出演作に、『サンタ・ビットリアの秘密』(1969)『イノセント』(1975)『リリー・マルレーン』(1981)『雲の中で散歩』(1995)『ミミック』(1996)『ロルカ、暗殺の丘』(1997)『星降る夜のリストランテ』(2000) などがある。



■フランチェスカ・ネリ (アレグラ・パッツィ)

レクター博士の食欲をそそる、パッツィの美貌の妻アレグラを演じる。

1964年2月10日、イタリアのトリノ生まれ。ローマの演劇学校で学んだのち、『Il Grande Bleck』(1987)で映画デビュー。活躍の場をスペインに広げ、ビガス・ルナ監督の『ルルの時代』で脚光を浴びた。その後、『フライト・オブ・ジ・イノセント』(1991)『愛よりも非情』(1993)『ライブ・フレッシュ』(1997)に主演。本作のあとは、アンドリュー・デイビス監督の『Collateral Damage』でアーノルド・シュワルツェネッガーと共演。今後のハリウッドでの活躍が期待される。



■ヘイゼル・グッドマン (イヴェルダ・ドラムゴ)

クラリスと壮絶な撃ち合いを繰り広げる麻薬ディーラーのイヴェルダを演じる。

出身はトリニダード。ワンマンショー『Things Going On』で人気を獲得。HBOのスペシャル番組でホストを担当し、ケーブル・エース賞2部門にノミネートされた。映画デビューは、1991年の『トゥルー・アイデンティティー/正体知られて大ピンチ!!』。『ヒート』(1995)に出演後、ウディ・アレン監督&主演作『地球は女で回ってる』(1997)で心優しき娼婦のクッキーを演じ、注目を集めた。TVでは、NBCの人気シリーズ『ホミサイド/殺人捜査課』で麻薬組織の女ボス、ジョージア・レイ・マホーニーを演じた。



■リドリー・スコット (監督)

『グラディエーター』でゴールデン・グローブ賞のドラマ部門作品賞を受賞、オスカーでも作品&監督賞本命の呼び声が高いスコットは、デビュー作の『デュエリスト−決闘者−』以来、独自のビジョンでアートとエンターテインメントの融合をはかってきたクリエイティブな巨匠として知られている。『グラディエーター』の撮影中、本作の監督オファーを受けた彼は、この企画に魅せられた理由を次のように語っている。 「物語と登場人物の奥深さに惹かれた。『羊たちの沈黙』の10年後の話というだけでなく、10年後に書かれたという事実に魅力を感じたんだ。だからこそ、前作とは完全に別物になると思ったよ」

1937年11月30日、イギリスのサウスシールズ生まれ。英国芸術アカデミーを卒業後、奨学金を得てアメリカに留学。タイム・ライフ社で活躍したのち、帰国してBBCに勤め、数々の名作ドキュメンタリーを発表する。退社後、CM製作会社RSAを設立。2000本以上のCM演出を手がけ、その多くがベネチア映画祭やカンヌ映画祭で賞を受賞した。映画監督デビューは、1977年の『デュエリスト−決闘者−』。この作品でカンヌ映画祭の新人監督賞を受賞。続く『エイリアン』(1979)を大ヒットに導き、一躍ハリウッドのトップ監督の仲間入りを果たした。その後も、『ブレードランナー』(1982)『レジェンド/光と闇の伝説』(1985)『誰かに見られてる』(1987)『ブラック・レイン』(1989)といった野心作を発表。1991年の『テルマ&ルイーズ』では、英米のアカデミー監督賞候補にあがり、ロンドン批評家協会賞の監督賞を受賞した。以降、『1492 コロンブス』(1992)『白い嵐』(1996)『G.I.ジェーン』(1997)を監督。『グラディエーター』(2000) と本作のあとは、ジョシュ・ハートネット主演の戦争ドラマ『Black Hawk Down』のメガフォンをとる。



■トマス・ハリス(原作)

1940年、米国テネシー州に生まれる。ベイラー大学卒業後、ニューズ・トリビューン紙の記者、AP通信社のデスクを経て1975年、『ブラック・サンデー』で作家デビュー。その後は所謂、"レクター三部作”しか著していない。彼自身から連絡がくる以外にトマス・ハリスとコンタクトをとる方法はないほど、謎多き人物である。『ブラック・サンデー』は1977年にジョン・フランケンハイマー監督によって映画化されサスペンス・アクションの傑作と賞賛されたが、日本では政治的な理由から公開が中止された。続く『レッド・ドラゴン』は1986年にマイケル・マン監督が幻惑的な映像で見事に映画化 (日本公開時のタイトルは『刑事グラハム 凍りついた殺意』)。そして1991年にジョナサン・デミ監督によって映画化された『羊たちの沈黙』は、世界中を恐怖に落し込み、アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の5部門を受賞する。小説『羊たちの沈黙』発行から11年。遂に沈黙を破った原作『ハンニバル』は既に日本で180万部を超えるベストセラーになっている。

主な作品 ブラック・サンデー(1977)、レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙(1986)、羊たちの沈黙(1991)



■ディノ・デ・ラウレンティス (製作)

イタリアの伝説的プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスは、60年以上にわたり、100本あまりの製作を手がけてきた。そのうちの5作がイタリアのアカデミー賞を受賞、フェデリコ・フェリーニ監督の『道』でアカデミー外国語賞を受賞している。これらの功績により、2001年のアカデミー賞授賞式では、栄えあるアービング・G・タールバーグ賞を贈られることが決定した。

1919年8月8日、イタリアのトーレ・アヌンチアタ生まれ。1941年にトリノでレアル・チネを設立。1948年に『にがい米』を製作し、主演のシルバーナ・マンガーノと結婚して4児をもうけた。1950年にはカルロ・ポンティと組んでポンティ=デ・ラウレンティス社を設立。『ヨーロッパ一九五一年』(1951)『ユリシーズ』(1953)『河の女』(1954)『道』(1954)『戦争と平和』(1955)『カビリアの夜』(1956)などの名作を世に送り出し、イタリア映画の黄金時代を築いた。その後も、『天地創造』(1965)『バーバレラ』(1968)『ワーテルロー』(1970)といった国際的な大作の製作を手がけ、1970年代にアメリカへ進出。『キングコング』(1976)『ラグタイム』(1981)『コナン・ザ・グレート』(1984)『デューン/砂の惑星』(1984)などのヒット作・話題作を生む。
1990年にマーサ・デ・ラウレンティスと結婚、アンソニー・ホプキンスが出演した『逃亡者』(1990)や、レイ・リオッタ主演の『アンフォゲタブル』(1996)、『ブレーキ・ダウン』(1997)『U-571』(2000)などの製作や製作総指揮を共同で手がけている。



■マーサ・デ・ラウレンティス (製作)

大学卒業後まもなく、NBCのミニ・シリーズ『The Dain Curse』の会計検査官助手となる。そこでフランク・マーシャルに才能を認められ、『ウォリアーズ』の製作チームに参加。1980年、ディノ・デ・ラウレンティスと出会い、『ラグタイム』(1981)の製作会計士をつとめたのち、ディノ・デ・ラウレンティス・プロの経営管理責任者として迎えられた。

1984年、ディノと共同で、『炎の少女チャーリー』を共同プロデュース。以降、『地獄のデビルトラック』(1986)『アーノルド・シュワルツェネッガー ゴリラ』(1986)『キングコング2』(1986)『逃亡者』(1990)『モンテカルロ殺人事件』(1992)『アンフォゲタブル』(1996)『ブレーキ・ダウン』(1997)『U-571』(2000) などの製作や製作総指揮に携わっている。



■デビッド・マメット (脚本)

1947年11月30日、イリノイ州シカゴ生まれ。24歳のときセイント・ニコラス・シアター・カンパニーを設立、『きのうの夜は…』として映画化された処女作『シカゴの性倒錯者』(1975)のNY公演でオビー賞を受賞した。さらに『アメリカン・バッファロー』(1977)でNY劇評家サークル賞を受賞、1984年の『グレンギャリー・グレン・ロス』(映画化名『摩天楼を夢見て』)では、再び同賞を受賞すると同時にピュリッツァー賞に輝いた。映画の脚本には、1981年の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で進出。オスカーの脚本賞候補になった『評決』(1982) のほか、『アンタッチャブル』(1987)『ホッファ』(1992)『ワグ・ザ・ドッグ ウワサの真相』(1997) などを執筆している。1987年には『スリル・オブ・ゲーム』で監督としてもデビューし、NY 映画祭最優秀賞を受賞。その後も、『週末はマフィアと!』(1988)『殺人課』(1991)『Oleanna』(1994)『スパニッシュ・プリズナー』(1997)『The Winslow Boys』(1999)を発表し、高い評価を得ている。監督&脚本を兼ねた最新作『State and Main』はフロリダ映画批評家協会賞の脚本賞を受賞、ゴールデン・サテライト賞、シカゴ映画批評家協会賞の脚本賞にもノミネートされた。


■スティーブン・ザイリアン (脚本)

1951年、カリフォルニア州フレズノ生まれ。サンフランシスコ州立大学で学び、1985年に『コードネームはファルコン』で脚本家デビュー。ペニー・マーシャル監督の『レナードの朝』(1990) でアカデミー賞の脚色部門の候補にあがり、スティーブン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』(1993)で同賞を受賞。さらに、英アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、シカゴ映画批評家協会賞、USC脚本家賞、アメリカ脚本家組合賞などの各脚本賞を総ナメにした。1993年には、脚本を兼ねた『ボビー・フィッシャーを探して』で監督としてもデビュー。東京国際映画祭の審査員特別賞を受賞し、MTV映画賞の新人監督賞にも輝いた。また、脚本&監督第2作の『シビル・アクション』(1998) でもアメリカ脚本家組合賞の候補となり、主人公ジョン・トラボルタのライバル弁護士を演じたロバート・デュバルがオスカーの助演賞候補になっている。
その他、脚本を手がけた作品は、『みんな愛してる』(1992)『今そこにある危機』(1994)『ミッション:インポッシブル』(1996) など。本作のあと、マーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオ主演の大作『Gangs of New York』の脚本を手がけた。



■ジョン・マシソン (撮影)

デビッド・ベイリー、リンゼイ・アンダーソン、デレク・ジャーマンらと組み、CFや短編映画、アート・ドキュメンタリーの撮影を担当。芸術への貢献が評価され、1996年にフランス文化省からシュヴァイツァーの称号を授与された。リドリー・スコットの作品では、彼が製作総指揮をつとめたTVシリーズ『The Hunger』の撮影を手がけ、甥のジェイク・スコットがメガフォンをとった『プランケット&マクレーン』(1999)も担当。『グラディエーター』(2000)で本格的にコンビを組み、ゴールデン・サテライト賞、放送映画批評家協会賞、サンディエゴ映画批評家協会賞の撮影賞を受賞した。他の代表作に、『リメンバランス/記憶の高速スキャン』(1994)『ピガール』(1995)『ツイン・タウン』(1997)『ヴィゴ』(1998)『愛の悪魔/フランシス・ベーコンの歪んだ肖像』(1998)がある。


■ノリス・スペンサー (プロダクション・デザイナー)

ロンドンの英国芸術カレッジで家具デザインを専攻。CM業界に入ってトニー・スコットと組み、兄リドリーにも紹介されてCM製作会社RSAのプロジェクトに関わる。以降、15年にわたり、スコット・ファミリーの一員として活躍。『ブラック・レイン』(1989)『テルマ&ルイーズ』(1991)『1492 コロンブス』(1992)のプロダクション・デザインを手がけたほか、ジェイク・スコット監督の『プランケット&マクレーン』(1999)も担当した。本作に続く新作は、トニー・スコット監督、ロバート・レッドフォード&ブラッド・ピット主演の『The Spy Game』。他の作品に、『Golden Lady』(1979)『Britannia Hospital』(1982)がある。


■ジャンティ・イェーツ (コスチューム・デザイナー)

ジャン・ジャック・アノー監督の『人類創生』(1981) の衣装担当助手として映画界入り。『Bad Behaviour』(1993)から衣装デザインを手がけ、マイケル・ウィンターボトム監督の『日陰のふたり』(1996)『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(1997)『いつまでも二人で』(1999)『Enemy at the Gates』(2001)の衣装を担当する。スコット・ファミリーには、1999年の『プランケット&マクレーン』で参加。『グラディエーター』(2000)の華麗なコスチュームで注目を浴びた。他の作品に、『ウェールズの山』(1995)『知らなすぎた男』(1997)がある。


■ピエトロ・スカリア (編集)

イタリアのシシリーに生まれ、アメリカに渡ってUCLAのフィルム・アンド・シアターで芸術学修士号を修得。『ウォール街』(1987)の編集助手を皮切りにハリウッドでのキャリアをスタートさせる。1991年の『JFK』で、英米のアカデミー賞編集賞を受賞。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)でも米アカデミー賞の候補にあがった。他の代表作は、『リトル・ブッダ』(1993)『クイック&デッド』(1995)『魅せられて』(1996)『ビッグ・ヒット』(1998)『ミュージック・オブ・ハート』(1999)など。スコット作品には、『G.I.ジェーン』(1997)『グラディエーター』(2000)に続く登板になる。


■ハンス・ジマー (音楽)

ドイツのフランクフルト出身。15年のあいだに60本あまりの映画、TV作品の音楽を担当。『レインマン』(1988)『天使の贈り物』(1996)『恋愛小説家』(1997)『プリンス・オブ・エジプト』(1998)『シン・レッド・ライン』(1998)でアカデミー賞の音楽賞候補になり、『ライオン・キング』(1994)で同賞を受賞した。リドリー・スコット作品は『ブラック・レイン』(1989)『グラディエーター』(2000)を担当。トニー・スコット監督の『トゥルー・ロマンス』(1993)『クリムゾン・タイド』(1995)『ザ・ファン』(1996)『M :I-2』(2000)も手がけている。作曲活動に加え、ドリームワークスの映画音楽部門の責任者としても活躍中。


■キース・バンダーラーン、グレッグ・キャノン、ウェス・ウォフォード (特殊メイクアップ)

キャプティプ・オーディエンス・プロダクションズのチームとして、変身に4時間半を要したというメイスン・ヴァージャーや、ポール・クレンドラーの特殊メイクに腕をふるった。
バンダーラーンは、グレッグ・キャノンのキャノン・クリエーションに勤めたのち、キャプティブ・オーディエンス・プロダクションズを設立。本作のほか、『ビッグ・ママス・ハウス』(2000)『モンキーボーン』(2001)などのメイクとクリーチャー・エフェクトのプロデューサーをつとめている。
ウォフォードは人工器官を作り出す特殊メイクの専門家で、キャノンと共に革命的なシリコン技術を開発。『アンドリューNDR114』(1999)『ビッグ・ママス・ハウス』(2000)と本作でキャノンと組んでいる。
キャノンは、過去20年にわたり第一線で活躍してきた特殊メイク界の大御所。『フック』(1991)『ホッファ』(1992)『最高のルームメイト』(1994)『タイタニック』(1997)『アンドリューNDR114』(1999)でアカデミー賞メイク部門の候補になり、『ドラキュラ』(1992) と『ミセス・ダウト』(1993)で同賞を受賞した。